現在、コロナウイルスによる自主的自粛措置継続中で、あまり遠くにお出かけできません。この期間を利用して、過去に行った世界遺産について書いてみようと思います。この旅は、かつてドイツに勤務していた2005年5月に行ったものです。

もっと北ドイツの旅(2)

リューゲン島 2005,5,27

 リューベックのユースホステルを8時に出発し、今日は東へ進みます。旧東ドイツもずいぶん開発が進み、できたばかりの高速道路は快調そのもの。黄色い菜の花畑に歓声をあげながら1時間後にはロストックの町に到着。でも、ここはちょっとした通過点。かわいい市庁舎だけを見て、リューゲン島に急ぐ・・・つもりが、陶器の店にひっかかり、水着を買うことにもなり、ちょっと時間を使いすぎた。さあ、急いでリューゲン島に行きましょう。ここからは一般道を進み、残り100キロ足らず。

ロストックの街。この地方の都市は似てるな。

 しかし、ロストックを出発するとすぐに大渋滞。なぜか車は全く進まなくなりました。あきらめた車が次々とUターンしていく中、がまんの苦手な我が家もついに「まわり道になるけど高速で近くまで行こう。」と進路変更。(この渋滞が自然渋滞なのか、事故なのかは不明)高速はスイスイ。でも、この高速は途中で終わり、ここで2つのルートからひとつを選ばなければなりません。

①30キロほど先のシュトラールズンドから橋を渡ってリューゲン島に入る。

②シュトラールズンドの南の町から船でリューゲン島に入る。

 ぎりぎりで選んだのが②のコース。でも、これはどうやら失敗だったようです。すぐに工事中の迂回路をぐるりと回ることになり、車の中で「あっちの道だったらもう着いてたね。」と悲しく語りながら車は進みます。(うーん、今回の旅はどうも判断が悪いなあ・・)でも、途中の黄色いじゅうたんの美しさや、車ごと島に渡るフェリーもおもしろく、これはこれで良かったのかもしれません。

バルト海です!
車は船に乗り、リューゲン島へ。
緑のトンネル!(ピンボケが惜しい)

 予定より大幅に遅れてリューゲン島に入り、目指すは観光船の発着するSassnitzという港。あまり整備されていない道路だけど、並木道が美しく、「ああ、違うところにきたのねえ。」と感動のドライブです。2時少し前に到着して港のインフォメーションに駆け込み「観光船に乗りたい。」「あと5分で出発よ。何人?大人2人に子ども2人ね。全部で34ユーロ。はい、急いで。船はあそこに見える緑のもの。では、楽しんできてね。」この間母は駐車券の購入。急いでお金を入れたら夜までOKの券が出てきたそうな。慌てると無駄が多いものです。

 ようやく船に乗り込み、ホット一息。あっ、カメラ車に忘れた。慌てるとミスも多いなあ。まあ、写真を撮るために来たわけでなし、じっくり目で見ることにしましょう。船は港から北に進み、リューゲン島で一番美しい白い断崖を見てくるという行程1時間半のツアーです。船の中では、放送で船長さんガイドが流れます。時々冗談を言ってるようで、ドッと笑いがはじけることが数回。でもわかったのは「おもしろいことを言ったようだ。」ということだけ。(さすがにここまで最北の地だと、外国人はほとんどいないみたい。)石灰岩質の崖は、遠くから見るとすべすべしていてとても美しい光景。船には何台か双眼鏡が置いてあり、なかなか便利です。とっても小さな船だけど中では飲みものや簡単な食べ物も売っていて、コーヒーとソーセージを注文しました。(出てくるまで時間がかかったけど、うまかったね。)たまたま船には犬が3匹乗っていて、特に娘2には幸せなひと時だったようです。(その時の顔を写真にとれなかったのが残念。)

ザスニッツの港の魚屋さん。
豪快なサーモンサンド。

 船を降りて、魚をはさんだサンドイッチで腹を満たし、今度は今日の宿泊地、Sellinに向かいます。それほど大きな島でもないので、30分少々で到着。先にユースホステルが見つかったので、荷物を部屋に入れてから海に行きました。

 今回、セリンという町を宿泊地に選んだのは、もちろんユースホステルがあるから。でも、行ってみると、島を代表するリゾート地だったようです。浜辺はそれほど大きくないものの、船着場に建つレストランはかなりいい雰囲気。もちろんここも旧東ドイツ。再開発が進んでまだ15年ほどなので、まだ新しいホテルがたくさん並んでいます。きっとこれから、ドイツを代表するリゾート地になっていくのでしょう。今、足がふれている水は「バルト海」。(考えてみると、これはすごいことですね。)水はかなり冷たかったけれど、2時間ほど水あそび。今回は車での移動が多いので、こんな風にゆっくり過ごすひと時は大切です。

海に下りる小さなケーブルカー。
セリン、いいんでない?

「カフェでコーヒーでも飲みたいね。」と思っていたけど、夕方になり、寒くなったてきたのでユースに戻って夕食。今日は家から持ってきた「たけのこ炊き込みごはんと納豆汁」うーん、やっぱり日本の食事はいい。今日のユースは部屋にシャワー付き。ゆっくり汗を流して明日に備えて早めに寝ましょう。

パンクした? 2005,5,28

リューゲン島の朝、事件発生!タイヤがひとつしぼんでいる!パンクか?いたずらか?よくわからないままユースホステルを出発し、ガソリンスタンドを探す。途中、リューゲン島で一番大きな町で「ガソリンスタンドはどこですか?」と質問する。一人目は「旅行者だよん。わかんないよん。」二人目はよぼよぼのじいさんで、「ここを降りて右に行くとある。」しかし、行ってみてもない。別の道をうろうろしてると、自転車に乗ったおじさんが「どうしました?」「ガソリンスタンドにいきたいの!」「それならここを左にいってまっすぐだよ。」なんだ、さっきのじいさんの言うとおりだったのね。もっと先まで行けばよかったのね。疑ってごめんなさい。

 タイヤは空気圧が半分以下に落ちているけど、空気をつめたらもれる気配もない。注意しながら車を進めます。考えてみれば、フランクフルトから一番遠いところ。無事に帰れますように・・・。

シュトラールズンド(世界遺産その3)

リューゲン島からドイツ本土にかかる橋を渡ると、そこはシュトラールズンドというハンザ同盟の都市。橋から見た景色が素晴らしいので、気持ちはどんどん高まります。ここも世界遺産の街。いよいよこの街を見学すると、我が家の世界遺産めぐりもゴール間近。気合を入れて見学しましょう。

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シュトラールズンド 遠景。
ニコライ教会。
水族館、楽し。
市庁舎。

 まずはニコライ教会。あまり飾りがないけれど、重厚な感じで北ドイツらしさを感じます。そして次に向かったのが海洋博物館。かつて教会だった建物を利用している何とも変わった感じの博物館。熱帯魚もいてなかなか楽しめるところでした。商店街を歩きながら古い町並みに感嘆しつつ、市庁舎前の広場に到着。そこでは結婚式の記念撮影をしておりました。石畳の上でシャンパンを飲むドイツ人も風情があるものです。市庁舎の美しい建物を見て、ニコライ教会を見学し、さあ、シュトラールズンドを出発・・と思ったら、「レストランで食事がしたーい!」と、ぐずぐず言い出したのが約1名。せっかくだから、よさそうなレストランにえいやっと飛び込み、魚料理を食べてみました。さすが海沿いの町、値段も安く、おいしい魚でした。

 さあ、シュトラールズンドを出発。(それにしても「ずんど」という響きは、いかにも田舎くさいねえ。)車は再び高速に乗り、リューベックに向かいます。あれ、おととい行ったよね。でも、どうせ帰り道だし、おととい乗れなかった観光船に乗りたい。マリエン教会も見たい。マジパンの店で売ってる袋をおみやげにもっと買いたい。と様々な要望がありまして、再び突入となった次第です。

再びリューベック(世界遺産その2の2回目)

 おとといと同じく午後4時にリューベックに到着。さあ、ぼやぼやしてはいられない。まずは運河を巡る観光船。めちゃくちゃ暑い中、頑張って観光。(ちょっとへろへろ。)船を下りると、マリオネット劇場の付近まで行って、「劇見る?見ない?」と相談し、結局見ないでマジパンの店。あらら、もう閉店15分前じゃん。急いで袋買って買って!次マリエン教会。おお、今日はオルガンコンサートだって。よし、聞いていこうか。

再びリューベックの観光船。

 ここで、「もう帰りたい・・。」とぐずぐず言い出したのが約1名。まっすぐホテルに向かうことにしました。それにしても、3対1になっても約1名の強いこと。

 リューベックを出て、あとはホテルに向かうだけ。とは言うものの、ホテルまでおよそ250キロ。今回は車も大変だ。空気の抜けてたタイヤを時々点検しながら、まずは順調にブラウンシュバイクの町に到着。今日はマリオット系列の中級ホテル。部屋の雰囲気にわーいわーいと喜びながら、今日もさっさと寝るのでした。

ヒルデスハイム経由で帰宅 2005,5,29

 ブラウンシュバイクは、12世紀に北ドイツを支配していたハインリッヒ獅子公の居住地として栄えました。でも、今回は泊まりに来ただけなので、ちょっとだけ大聖堂前の広場を見て、ヒルデスハイムに向かいます。

ブラウンシュバイクの大聖堂。

ヒルデスハイム(世界遺産その4)

 ホテルが朝食つきでなかったので、高速のサービスエリアで簡単な食事をして、ヒルデスハイムの町に直行。ガイドブックにも詳しく載っていないし、地図を忘れてきたので「大聖堂はどこじゃ。」と叫びながら街の中心に向かいます。途中大きな教会が見えてきて、「あれだろう。」と思ったらはずれ。大聖堂はちょっとした丘の上、それも建物にかこまれて隠れるように建っておりました。今日は日曜日。ちょうどミサをするところなので、さっさと中を見てすぐに退出。キリスト教徒でないので、このへんは気を使います。

ヒルデスハイム大聖堂。

 大聖堂を出て、もうひとつの世界遺産「セントミヒャエリス教会」を捜索。街をぶらぶら歩き、近くのおじさんに道をたずね、ようやく着いた教会は、これまた古い教会です。何でも、ドイツロマネスク様式の教会としては現存する最古のものらしい。残念ながらミサの最中で、中には入れず、仕方なく近所にあった博物館で時間をつぶして再び教会へ。(博物館のエジプト関係の展示も、なかなかおもしろかったね。)ミサを終えたばかりの神父さんから日本語のパンフレットをもらい、よろこんで見学しました。こんな教会にも日本語のパンフがあるとは、日本人恐るべしです。制作はハノーファー日本人会のみなさんでした。天気も良くかなり気温も上がっていたけど、教会の中というのはどこも涼しいものです。しばしイスに腰掛け、ひと休みして教会に別れを告げました。

セントミヒャエリス教会 。

 ヒルデスハイムは、世界遺産の教会と大聖堂だけでなく、旧市街の木組みの家もすばらしいとか。ちょっとだけ寄っていきましょう。

 ラートハウス(市庁舎)の前では、ブラスバンドが出ていてちょっとしたお祭りのようです。プップカドンドンの音を聞くと心もうきうきしてきます。市庁舎の前にはすばらしい木組みの家の数々。今までたくさんの木組みの家を見てきたけれど、これは別格のすばらしさ。いったい何階建てなのか数えられないくらいです。広場のカフェでアイスを食べながらひと休み。明日からまた学校なのが信じられないくらいです。そうそう、明日に備えてもう帰らなければ・・・。

ヒルデスハイムの街、かなり素晴らしい。
金融センターと書いてあるが、何だろ・・・

 お祭り会場でちょっとだけ昼食を調達し、車はいよいよフランクフルトへ。ここから約350キロ。こんな距離にもびっくりしなくなっちゃいました。それほどこっちの高速道路は快適なのです。(もちろん無料というのも大きい)タイヤの空気もその後抜けていないし、大丈夫みたい。予定通り夕方明るいうちに我が家に到着しました。

 旅行は無事終ったものの、家に帰ると野菜や花のプランターがほとんど壊滅状態。日陰に入れておくのをわすれとった。去年から生きのびたエーデルワイスも、ひとつだめにしてしまった。残念!でも株分けしていたもうひとつの鉢は、何とか元気になりました。

 後日、タイヤをよく調べてみたら、やはりくぎみたいなのがささっておりました。どうやら空気をつめた時に穴がふさがったらしい・・・。すぐに修理にだしたら。20ユーロでした。

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